みささんこんにちは、まっつんです。
先日9月6日(日)にQC検定を受験してきました。2級です。コロナの影響で試験場確保が難しいようで、抽選制でしたが運よく選ばれました。
本日9月8日(火)に解答速報が発表され、無事合格点に届いていましたので早速記事にしました。
本記事ではQC検定に関する説明、対策について解説します。
特に試験まで時間がなく、裏技的な方法を探している方には必見です。手法問題攻略の段落で説明していますので、途中は飛ばしてそこだけ読んで頂いても得点アップします。
筆者のこと
まずどんな人物が書いた記事か気になると思いますので、簡単に自己紹介します。
・博士号(工学)を取得
・大学で統計に関する授業は受けていない
・研究職として勤務(ここでも統計は扱わない)
・勉強時間は20~30時間ほど
・主に通勤電車で過去問を読み込む
QC検定とは
QC検定は聞きなれない方が多いかと思います。Quality Control、つまり品質管理に関する資格です。
ものづくりやサービスは品質が重要ですね。
安定して生産したり、品質をさらに向上させるにはどうしたらよいのか、といった課題を統計的に分析したりフレームに乗っ取って解決していく手法に関する資格です。
合格率・難易度
試験日は3月と9月の年2回しかありません。
一度不合格になってしまうと半年間時間が空いてしまいますので、受験するなら何としても一発合格したいものです。
ではどのくらい難しいのでしょうか。各級の合格率を表にまとめました。公式HPに掲載されているデータに基づいています。

受験回によって多少バラツキますが、近年は表の合格率程度の難易度のようです。
さて、ここから分かることは…?
1級の合格率はわずか2.6%と極端に難しいですね。1級はマークシートと論述の試験ですが、特に論述は実務経験について問われます。
そのため実務経験が浅い、または私のように特に品質管理に携わってない人にとって合格はかなり難しいと思います。私はこの時点で1級は諦めました。
一方で4級は合格率は84.0%であり、真面目に取り組めば合格可能なレベルです。
3級の合格率は49.7%ですが、公式HPの例題を解いてみてもそこまで難しくありません。
QCに対する知識が全くない方でも、ある程度勉強すれば十分に合格できるのが3級です。
2級は合格率が23.0%であり、例題も適度に難しくそこそこ勉強する必要があります。私は勤務先の都合もあり2級を受験しました。ちなみに2~4級はすべてマーク式です。
参考書
勉強に使用した参考書・過去問はこちらです。
・過去問題で学ぶQC検定2級 2020年版
参考書の使い方
学校のテストでも資格試験でも、どんな試験でも言えることですが、まずは全体像を捉えましょう。そして自分の正確なレベルを把握し、何にどれだけの時間を割けばよいかを考えてください。
そのためにまずは過去問を1~2回分解きましょう。
次に知識不足のところを参考書で補います。参考書は最初から最後まで読む必要は全くありません。特に私のように合格することだけが目的なら。
あとは過去問をひたすら解くだけです。特に手法問題は穴埋めで回答する場所以外の空欄や、すでに数値が計算されているものも含めて、全て自力で算出できるようにするのがベストです。本番で聞かれる空欄が何かわかりませんからね。
必要な勉強時間
数学が得意な人なら30~40時間もあれば十分に合格圏内入ることのできる資格です。
逆に数学を避けてきた人にとっては難しく感じると思いますし、勉強時間も50~60時間くらいは必要かもしれません。
さらに英単語の知識の有無でも難易度が変わります。
問題構成
問題数は試験回によって多少バラツキますが、大問15~17で構成され全約100問の試験です。
約100問ある問題はさらに手法問題と実践問題にわかれ、それぞれ約50問ずつから構成されています。
2級の合格基準は、手法と実践でそれぞれ概ね50%以上の正答率があり、両問題を合わせた合計正答率が概ね70%以上であることが条件です。
合格・不合格の例は以下のようになります。問題数を各50問とし、厳密に50%、70%が合格ラインと考えた場合です。
手法25/50、実践50/50は合格
手法35/50、実践35/50は合格
手法25/50、実践25/50は不合格
手法20/50、実践50/50は不合格
手法35/50、実践30/50は不合格
この合否の基準を意識して勉強しましょう。
つまり実践問題が得点源になりそうなら実践問題で80%以上を狙いつつ、手法問題は60%以上の得点を目指す。どちらも難しいと感じるなら、どちらもまんべんなく勉強するか、どちらか一方に集中するものよいです。
自分の勉強に合った計画を立てるとよいと思います。
ちなみに私は得点のしやすさは実践問題、勉強により得点が伸びやすいのは手法問題だと思いましたので、困ったら手法問題に集中して勉強するとよいです。
さてでは各問題の攻略法を紹介します。
手法問題の攻略
過去問をお持ちの方はそちらも参考にしながら読んで頂けると理解しやすいと思います。過去問を持っていない方にもできるだけわかりやすい記載を心がけます。
みなさんは最初に問題を解いてみて何を感じましたか?
恥ずかしいですが私はというと、平方和?中央値?有意水準?棄却?という感じでした。右も左も分かりません。
かつ計算式が多く出てきて、これ全部覚えなきゃいけないのか~とかこの年齢になってちゃんと記憶できるかな~と不安がありました。
しかし、ちゃんと勉強して問題をよく考えればわかることですが、計算式を忘れてしまっても正解にたどり着ける問題がかなりあります。
例えば第23回の大問2問10~11や、第24回の大問2問10~15などです。
それぞれ検定・推定の平均値と信頼上限or下限値に関する問題と、管理図の中心線と上方or下方管理限界線に関する問題です。
これらの問題は解答欄だけ見て足し算と引き算するだけで解けます。ただし最低限、平均値または中心線の値を求める必要があります。
そこまでは頑張ってください。
この二つの共通点を以下に示します。
上限値=平均値(中心線の値)+定数
下限値=平均値(中心線の値)-定数
この式から分かることは何でしょうか?
それは、「平均値と上限値の差の絶対値と、平均値と下限値の差の絶対値が等しい」ということです。
当たり前のように聞こえますが、強力です。
上記の問題を見てみましょう。
第23回の大問2問10~11
問題文から平均値は211.46だと分かります。解答欄からおそらく正解はa. 210.8281、 b. 212.0919、 c. 217.3190の3つのどれかだと推測されます。
さらに平均値が211.46ですので、下限値はそれより小さいa. 210.8281が正解だとわかります。
では上限値はbとcのどちらでしょうか?
平均値-下限値=0.6319であるということは、上限値-平均値=0.6319という意味でもあります。したがって上限値=平均値+0.6319=212.0919となりbが正解です。
小難しい計算式なんて必要ありませんでしたね。
つづきはこちらのnoteにて公開しています。有料です。
実践問題の攻略
こちらの問題は言葉の穴埋め形式になっています。正直、正当な攻略方法以外はありません。
PDCAや5S、4Mなどはちゃんと覚えたほうが良いものの、毎回の出題形式が異なりパターン化もできません。試験回によって内容もだいぶ異なります。
この実践問題は読解力と知識の試験です。前後の文脈から最も適した(違和感がない)言葉を代入する問題が多く、ちゃんと読めば正答にたどり着けます。
一方で知識問題は知らないと解けません。そういうモノが本番で出たらパスしましょう。
読解力で解ける問は得点源になりますので、過去問の問題を繰り返し読むことをお薦めします。
人によっては読みにくい(理解しにくい)文章かと思いましたので、サッと読んでスッと文章を理解できるようになれば自然と正しい言葉を選択できるようになるハズです。
まとめ
QC検定について、なんとなくでも理解できたでしょうか。手法問題は裏技的な攻略法があります。
また本記事では記載していませんが、手法問題は非常にパターン化しやすいため勉強すれば必ず得点源になります。これから受験される方はめげずに頑張ってください!
・2級~4級は誰でも勉強すれば合格可能
・手法問題には攻略法がある
・実践問題は読解力を鍛える
以上、 QC検定2級の攻略、でした。
関連記事