みなさんこんにちは、まっつんです。
天気が良い日に空を見上げると、青い空の中に白い雲が浮かんでいる景色が見えますよね。
空が青く見える理由についてはこちらの記事で解説しています。
本日は青空に浮かぶ雲が白く見える理由について解説したいと思います。この現象を理解するためにも光についてザックリと知識を持つことが大切です。
光の正体
光は波?
光とは電磁波の一種です。
図1のような「波」の性質を持っていると考えていただければ良いです。
その波の波長が短いものは青(紫)色(約400ナノメートル)に、波長が長いものは赤色(約700ナノメートル)に見えます。
こうした光を可視光線といい、一般的に私たちが「光」といえばこの可視光線を指します(図1)

図1
夏の肌に天敵の紫外線は波長がより短い(約10~400ナノメートル)光であり、カメラなどに使われている赤外線は波長がより長い(約700ナノメートル~1000マイクロメートル)光です。
私たち人間はこの~紫外、赤外~の範囲は脳が認識できず、可視化できません。そのため光(色)として認識できる波長領域を可視光領域といいます。
太陽光は何色?
それでは太陽光は何色でしょうか?
白っぽいような色をしていますね。
これは先ほどの可視光領域の光、青色~赤色までの全ての光(波長)を含んでいるため白っぽく見えます。
雲が白く見えるのも、同じようにすべての光を含んでいるためです。ではなぜ、すべての光を含んでいるのでしょうか。
雲は何でできているのか
雲は何でできているかご存じでしょうか?
雲の正体は水です。
水にも色々な形態がありますが、水蒸気(気体)ではなく水(液体)と氷(固体)からできています。
中学生の理科で湯気は気体か、それとも液体かを考える問題があったと思います。その時の答えは湯気は目に見える(白色)から液体でしたね。
雲は水(液体)に加えて氷(固体)もあわせ持っているだけで、基本的に湯気や霧と同じです。
さて、雲が水と氷からできていることは分かりましたが、どちらも通常は無色透明で色は付いていません。蛇口から白色の水が出てきたら私は飲みたくありません。
このことを理解するために、散乱についてお話しします。
散乱
光が空気中の分子に当たると図のように色々な方向に光が飛び散ります(散乱)。
光(可視光線)がその波長よりも大きな分子に当たった時に起こる散乱のことをミー散乱といいます。


先ほど、雲は水と氷でできているといいましたが、これらは数十マイクロメートル程度の大きさです。
光の波長はそれよりも100分の1程度小さいため、大きな粒に当たった光は波長の長さにかかわらず均一に散乱します。この均一に散乱するというのがポイントです。
太陽光は上記でも述べた通り、色々な色の波長が混ざった光です。
ミー散乱が起こるということは、この色々な色の光が四方八方に飛び散り(散乱)ます。
私たちの目はモノが青く見えるときは青色の光が、赤く見えるときは赤色の光が強く目に届いています。
白く見えるときは様々な色の光が目に届いているときです。そのため太陽光が雲に当たって散乱が起きると、雲は白く見えるのです。
氷は白い?
先ほど氷は無色透明だと言いましたが、本当にそうでしょうか?
確かにきれいな氷を思い浮かべると無色透明かもしれませんが、暑い夏に食べたくなるかき氷はどうなっていますか?明らかに白いですね。
この現象も雲が白く見える理由と少し似ています。綺麗な氷は滑らかな表面を持っているため、光が当たっても屈折、透過する光が多く無色透明に見えます。
一方でかき氷は、氷を削っているため様々な表面を持つ小さな氷になります。これに光が当たると、屈折・透過するよりも散乱する光が多くなり白色に見えます。
つまりかき氷も、様々な色の光が散乱されて目に届くため、白色に見えるのです。

滑らかな表面に光が当たった場合

様々な面をもつ表面に光が当たった場合
どうですか。雲が白く見える理由は分かりましたでしょうか。周りに見えているもの一つ考えるだけでも大変ですね。
雲が白く見える理由以外にも、光や色をテーマにした記事を書いていますので知識を広げてみてはいかがでしょうか。
・空が青く見えるのはなぜ?
・シャボン玉が色づくのはなぜ?
・炎色反応は何が起きている?
以上、雲が白いのはなぜ?、でした。