みなさんこんにちは、まっつんです。
本記事では日本バイオインフォマティクス学会が主催する「バイオインフォマティクス技術者認定試験」について解説します。
本記事では以下のような人にむけて書いています。
・2020年度からの試験の変更点について知りたい人
バイオインフォマティクスとは

バイオインフォマティクス…聞きなれない言葉かもしれません。
私もこの資格に出会うまで知りませんでした。
ザックリ説明すると、生命科学(バイオ)と情報科学(インフォ)とをかけ合わせた学問であり、生命情報(DNAやRNAなど)を統計学やプログラミング(phythonなど)を駆使して生命現象を解き明かしていく。そんな学問です。
何が出来るようになるのか
この資格を取得しても、特別に従事できるような仕事はとくにありません。(2021年2月現在)
得られることはバイオインフォマティクスの基礎理解と、「バイオインフォマティクス技術者」の称号を得られるくらいです。
2020年度変更点
バイオインフォマティクス技術者認定試験は2020年に大きく試験内容が変更されました。
新型コロナウイルスの影響ですね。
2019年度までと2020年度の試験で何が異なるのか。以下の表にまとめました。
2019年度まで | 2020年度 | |
試験日程 | 12月第1日曜日 | 2021年2月1日~14日
いずれか都合の良い日 |
試験会場 | 主要6都市 | 全国どこでも |
問題数 | 80問 | 60問 |
試験時間 | 2時間 | 2時間 |
試験方式 | マークシート | CBT(パソコン) |
解答方式 | 四択 | 四択 |
受験資格 | なし | なし |
受験料 | 4800円 | 5500円 |
満点 | 1000点(12.5点/1問) | 750点(12.5点/1問) |
合格基準点 | 560~600点(正答率56~60%)
受験者の正答率を踏まえて決定 |
437.5点(正答率58%)
受験者の正答率を踏まえて決定 |
平均点 | 600点前後 (正答率60%前後) |
455.3点 (正答率60.7%) |
難易度 | 普通 | 普通(以前と変化なし) |
詳しく見ていきましょう

試験方式
これまでの試験と一番の変更点は、試験方式がマークシート試験からCBT試験に変更になったことではないでしょうか。
CBTとは「Computer Based Testing」の略称で、コンピュータを使った試験方式のことです。
つまり、2020年度からパソコン上で試験を受ける形式に変更されました。
試験日程
2019年度までは12月に試験が開催されていましたが、2020年度は2月に開催されました。
さらに1日で試験を行わずに、2週間にかけて実施しています。
指定された期間内ならいつでのよいため、非常に自由度が高く、土日休みではない人でも有給を使わずに試験を受けられるようになりました。
試験期間は長くなりましたが、一人1回のみ受験可能です。
1年間に1回しか受験できない点は従来通り。
試験会場
2019年度までは東京や名古屋などの全国6都市のみでの開催でした。
2020年度からはCBT試験に切り替わったため、テストセンターを受験できる会場があれば基本的には全国どこでも受験可能です。
これまでは試験会場から遠い場所に住んでいて、どうしてもこの試験を受けたい場合は、早朝に家を出たり極端には前日入りした人もいたかもしれません。
そういった遠征費と時間を節約できる点は非常に良い変更であったと思います。
問題数
問題数が大きく変更されました。
2019年度までは80問でしたが、2020年度から60問に変更。
CBT試験に移行したことと問題数が減ったことの因果関係は分かりません。
減ってしまった20問が何かについてはこちらの記事で解説。(執筆中)
試験時間
試験時間は2時間です。問題数が減っても時間は変更なし。
時間はたっぷりあるため、不安な時は見直しをしっかりしましょう。
見直しても時間が余ります。
時間配分を考えた試験対策は必要ありません。
受験資格
受験資格はありません。どなたでも受験できます。
受験料
受験料が値上がりしました。
2019年度までは4800円だったのに対し、2020年度は5500円です。
問題を複数種作成したり、CBT試験にかかる手数料などが上乗せされたものと考えられます。
クレジットカードで支払い可能。
満点
従来までは1問あたり12.5点、計80問で1000点満点でした。
2020年度からは1問当たりの点数は12.5点と同じで、問題数が60問に減ったため750点満点です。

合格基準点
初期のころは600点が合格ラインでしたが、途中から合格基準点が試験の正答率等を考慮した点数に変更されました。
基準点を柔軟に変更することで、問題が簡単な回と難しい回での不公平を減らすことが目的であると考えられます。
実際に受験者合格率は毎年60%前後になるように調整されるようです。
2020年度の合格ラインは437.5点でした。750点満点のため正答率58%以上で合格です。従来通りですね。
むやみに「バイオインフォマティクス技術者」を増やさないためでしょうか。
しかしこの方針、非常に厄介だと思っています。
基準点が変動すると厄介な理由
つねに7割とか8割以上得点できる人には関係ありません。
6割と少しくらい得点できる人にとって厄介です。
というのも、以下のことが起こりえます。
②四択問題なのでたまたま高得点だった人が多くいた。
③問題が比較的簡単な年に受験したけど、いつも通り6割くらいしか得点できなかった。
つまり、まわりの受験者の得点が上がるに伴い合格ラインも上がってしまいます。
いつも通りの実力を出して62%くらい得点できても、合格基準が63%以上なら不合格です。
そういった不確定要素が付きまとうため、6割くらいの得点者には厄介な試験です。
頑張って勉強して7割得点できる実力をつけるのが最善の方法でしょう。
平均点
直近5年(2015~2019年度)の平均点は600点前後。合格基準点プラス30~40点くらいです。
2020年度は455.3点(正答率60.7%)でした。平均点も正答率でみれば従来通りです。
どの年もそうですが、平均点>合格基準点のため平均点以上取れれば合格です。
難易度
バイオインフォマティクスに精通しているかどうかで(当然ながら)難易度は変わってきます。
試験問題は基礎問題が出題されます。
そのため大学等でバイオインフォマティクスを学ばれていた人にとっては、ほぼ無勉でも合格できるかと思います。
私のようにバイオインフォマティクスに無関係の人にとっての難易度は、「普通」でしょうか。
というのも日本バイオインフォマティクス学会公認の参考書が秀逸だからです。
この試験のために発行されているといっても過言ではありません。
もちろん試験問題はこの一冊ですべてカバーできるわけではありませんが、「合格」を目的とする観点からすれば十分すぎる一冊です。
まとめ
本記事ではバイオインフォマティクス技術者認定試験がどのような試験であるかを解説しました。
重要ポイントは以下の通り。
・合格基準点は毎年変動
・学会公認の参考書は秀逸
バイオインフォマティクス技術者認定試験のための戦略を練る一助になれば幸いです。
以上。
2020年度試験のレビューはこちらの記事。
攻略記事も執筆中です!