第58回気象予報士試験 実技1(問1)

こんにちは、おまつです。​

第58回気象予報士試験の実技1(問1)をやっていきます。​

本記事では私が実際の試験で書いた答案や、何に着目していたかなどをまとめています。​

問題の解説のようなことを書いていますが感想も強めです。「問題を解く」ことに重きを置いています。分からないことは分からない旨を述べています。専門家ではないため間違ったことを記載している可能性も十分にあります。参考程度に見ましょう。​

本記事内で使用している試験問題に関する問題文や図・表は気象業務支援センターの許可を得て使用しています。これらの著作権は気象業務支援センターにあるため、無断で複製・転写することはできません。​

その他の解説っぽいものは以下。(作成中です)​

第58回気象予報士試験 実技1 図の確認 問1 問2 問3 問4

 

問1(1)

 

条件(整数、16方位、正負と単位)に気を付けながら解いていきます。​

 

前半は図1の紀伊半島沖の前線を伴った低気圧に着目します。​

基本的には英文表記を参考にすればよいので、①45ノットの速さで②北東へ進んでいる。​

この低気圧に対して発表されている海上警報は、温暖前線の右側に[SW]と記載があるので③海上暴風警報。間違って「警報」まで書いてしまわないようにしましょう。​

 

④、⑤は一瞬、海上暴風警報について書くのかと勘違いしそうですが、2文目に「~全般海上警報の対象期間である今後24時間以内に~」とあるので、④、⑤は英文を参考にし、今後④18時間以内に最大風速が⑤65ノットに達する。​

⑥も一瞬、海上暴風警報の値を書くようにも思えてしまうかもしれませんが、⑦、⑧が英文から答えを導いているので⑥も英文から、⑥30ノット以上の風。過去問の流れからしても海上暴風警報の定義を書かされることはないため、素直に英文を参考にしましょう。​

低気圧中心の南側⑦1400海里以内と北側⑧800海里以内。​

 

最後だけ日本海の低気圧に関する問題。16方位で答えなければいけません。北東よりは傾きが緩いので、⑨東北東へ進んでいます。​

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後半は図2から前線に関する問題。​

最初に図を確認した時にすでに述べていますが、図2下に地上低気圧と前線を描けば分かります。850hPa面の⑩12℃の等温線。​

⑪は等温線の間隔に着目します。温暖前線付近の6、9、12℃の等温線はほとんど間隔が同じです。一方で寒冷前線は南西に向かうほど6、9、12℃の等温線の間隔が離れていき、温度傾度が小さくなっています。よって、温度傾度は温暖前線の方が寒冷前線よりも⑪大きい。​

 

注目している温度傾度の大きい領域は図の枠で囲った場所です。​

 

この領域には鉛直p速度の極値が3カ所(-21, -21, -38)あります。このままでは分かりません。​

先に⑬を考えます。矢羽が分かりにくいのですが、反時計回りの風の循環が見られます。よって、850hPa面の⑬低気圧性循環の中心付近。​

となるので、低気圧性循環の中心付近にある極値は、⑫-38hPa/hとなります。​

 

ちなみに私は試験本番では-21hPa/hと書きました。正直こちらも私には「中心付近」に思いますが、不正解のようです。​

 

問1(2)

輪島の位置を知らなくても、ちゃんと図1に示されています。​

南北に1000hPaの等圧線が、東西に1004hPaの等圧線があります。また、南北には低気圧が観測されているため1000hPaよりも低くなることはありません。1000hPaより低いと、そこが低気圧として観測されるためです。​

問題は小数点以下を「切り捨てた」整数値で答えるので、​

1000、1001、1002、1003が正解です。​

 

私は1001hPa, 1002hPa, 1003hPaと書きました。整数値で答えよと言われているだけなので、単位の前が整数値なら単位が有っても無くてもいいかなと思いました。例えば1000.8hPaみたいな気圧なら、小数点以下を切り捨てれば1000hPaです。試験本番にその発想はありませんでした。​

 

問1(3)

 

低気圧とトラフの位置関係、距離について記述します。​

 

図2に地上低気圧の中心位置を記すと、中心はトラフの東側にあることが分かります。​

低気圧中心とトラフAの距離は紙面上で11mmです。緯度10°は約1110km(600海里)です。注目している緯度は33°付近なので、北緯30°~40°の距離を測ると39mm。​

よって、トラフAと低気圧中心の距離は1110×11÷39=313kmと計算されます。100km刻みで答える条件があるので四捨五入して書くと​

低気圧中心はトラフAの東側に300km離れている。」(25字)となります。​

もちろん主語を入れ替えて、「トラフAは低気圧中心の西側~」としても問題ありません。​

​ 

ちなみに私は緯度10°を何故か600kmと勘違いして計算したので200kmと書きました。過去問解いているときにそんな間違いは一度も無かったので、本番の緊張は恐ろしいですね。その後の計算もすべて間違えています。​

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気象業務支援センターの答えはこちら。​

低気圧中心はトラフAの東300(400)kmにある。」​

400kmでも正解なのは、恐らく「100km刻み」の条件だけでは四捨五入するのか、切り捨てるのか、切り上げるのかが分からないためだと思います。

 

問1(4)

65文字の非常に長い記述問題です。答えるポイントは3点です。​

[1]鉛直流の分布とその極大値​

[2]温度移流の分布​

[3]それらと低気圧中心との位置関係

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まずは鉛直流について。低気圧中心の東側に網掛け域が広がっているので、東側が上昇流域です。一方で西側は網掛け域ではないので下降流域だと分かります。​

さらに中心のすぐ東側に「-140」とあるので上昇流の極大値はこれで良さそうです。一方で中心のすぐ西側に「+28」とありますが、さらに少し西には「+38」があります。最大値ではなく極大値を答えるのでどちらでも良さそうですが、次に述べる寒気移流が「+28」付近では曖昧なので「+38」を選びました。​

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続いて温度移流の分布です。特に指定が無い場合は、「温度移流」と問われたら「寒気移流」と「暖気移流」の両方に触れなければいけません。​

中心の東側には等温線の高温側から低温側に南~南東の風が吹いています。よって暖気移流です。「-140」のすぐ北にも60ノットの南東風暖気移流が吹いていますね。​

中心の西側では、低温側から高温側に北西~西北西の風が吹いているので寒気移流です。「+38」付近は明らかに寒気移流ですが、「+28」付近は明確に寒気移流だと言えるだけの情報(矢羽)がありません。​

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以上を踏まえて、私は以下のように書きました。​

低気圧中心の東側に最大ー140hPa/hの上昇流域、西側に最大38hPa/hの下降流域が広がり、東側で暖気移流、西側で寒気移流である。」(67字)​

東側、西側を2回も書きたくはなかったのですが、いつも上手く書けません。​

この問題は文字数が長くて嫌になりそうですが、よくあるパターンの問題です。図を見ずに、きっと低気圧の東側に上昇流と暖気移流、西側に下降流と寒気移流があるだろうな、と思えるレベルまで仕上がっていると大変良いと思います。​

気象業務支援センターの解答はこちら。​

低気圧中心の東側は-140hPa/hの強い上昇流を伴う暖気移流の場、西側は+38hPa/hの下降流を伴う寒気移流の場になっている。」(65字)​

「強い」とか明確な基準が無いので、書かなくても良いと思っています。余談ですが、解答例では数字やアルファベットを1文字カウントしているので、実際の答案も1マスに1文字書くべきです。その他、ノットをktなどと書いた解答例はありません。​

どちらでも良い、みたいに書いている参考書はありますが、こういった細かいところも解答例通りに記述する方が良いと私は思います。(複数人いるであろう採点者の教育・裁量が分からないため。)​

  

問1(5)

 

最初に赤外画像を見たときにバルジかな?と思ったので、それを起点にしています。バルジの特徴として書くべきことは、「北側に雲頂高度が高く、高気圧性曲率を持った雲」ですね。実際に図のような場所がそんな風に見えます。​

後は低気圧中心と雲との位置関係は、中心から東側~北側に広く分布し、わずかに西側にも分布しているようです。​

以上を踏まえて私の解答はこちら。​

低気圧中心のすぐ西側と、東側に広く分布し、北縁は高気圧性曲率を持った雲頂高度の高い雲域が広がる。」(48字)​

 

気象業務支援センターの解答はこちら。​

低気圧中心の北東側に背の高い発達した雲域が広がり、南西側は下層雲のみとなっている。」(41字)​

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バルジ要素は一切ありませんでした。前半の背の高い雲域は部分点をもらえそうです。試験本番では西~南に雲は無いと判断しましたが、よくよく見るとうっすらと白いことが分かります。東~北側のハッキリわかる雲に目が行くため、西~南の下層雲にまで着目した内容を書くのは難しいと思います。​

  

第58回実技1問1終わり。

 

その他の解説っぽいものは以下。(作成中です)​

第58回気象予報士試験 実技1 図の確認 問1 問2 問3 問4

以上。