この記事は、空気の重さやアルゴンガスに興味のある方にお勧めです。
読むことで無駄知識が増えます。
空気(気体)にも液体や固体と同じように重さがあります。知っていましたか?
とはいえ非常に軽いため、普段の生活でその重さを感じることはまずありません。
そのため筆者も空気の重さを甘く考えていました。
けれどやっぱり質量があります。特にアルゴンガスはね。
アルゴン Ar
アルゴンは周期表でいう18番目の元素です。
一般の方は使用する機会がないかもしれませんが化学系の研究者なら毎日のように使用しています。
アルゴンガスは不活性ガスとも呼ばれ、空気中の酸素や水に弱い化学物質を守る役割を果たします。
且つガス自体も非常に安定性が高いため、頻繁に使用します。
このアルゴンガスは、私たちが呼吸している空気よりも重たいです。
計算は省略しますが、おおざっぱに計算して空気とアルゴンの重さの比は以下の通りです。
空気:アルゴン=1:1.39
アルゴンのほうが約1.39倍重い計算になりました。
さて有機合成の際は、仕込み量に対してどれだけ目的物が得られたか(収率)を計算します。
筆者の場合だいたいナスフラスコに目的物を入れたまま重量を測定します。
この時にナスフラスコ内を空気で満たすか、アルゴンで満たすかによって結果が変わってしまいます。
が、気体の重さを甘く考えていたためずーっとアルゴンガスで満たした測定結果で過ごしてきました。
ふと気になってよく使う200mlのナスフラスコで両者を比較すると
アルゴンガスで満たす場合、約90mg重くなることに気づいてしまいました。
先程アルゴンガスの重さの相対比を計算しましたが、200mlナスフラスコで計算すると丁度100mgの差が生じます。
実験結果とおおよそ一致しています。(やったね!)
100mgと聞くとたいした量ではないと思いたくなりますが、そもそもスケールが1~2gであるため過剰誤差は10%程度存在します。
どうりで先人の結果よりも収率が高くなるわけです。
というわけで筆者のようなミスをする読者はいないと思いますが、お気を付けくださいね!
以上、空気の重さでした。